尾田さんの理想と「ワンピース」読者の年齢層のズレ

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「週刊少年ジャンプ」で1997年から連載されてる国民的マンガ「ワンピース」。ぼくのような20代半ばの世代はもちろん、30代の人たちにも馴染み深い作品です。

カラオケに行けば、「ウィーアー!」をみんなで歌って盛り上がり、水曜夜19時に放送されてた頃の「ワンピース」を懐かしむ人もたくさんいるはずです。そして、今もなんだかんだ「ワンピース」を読んだり観て楽しんでる大人たち。

一方、尾田さんはあるインタビューで「子供に向けて描いてる」というふうなことをおっしゃってます。これは「大人は読むな!」と言ってるわけではなく、あくまでも子供に向けて、子供のために描いてるということなのでしょう。

しかし、紀伊國屋書店の調べによると、ワンピース読者の年齢層は9割が大人です。「ワンピース」というあまりにも大きく膨れ上がった作品の読者の大半は、尾田さんが読んでもらいたい、理想としてる子供ではありません。

「ワンピース」読者はほぼ大人

ぼくは3年前に立川にある立川まんがぱーくというところで、「ワンピースについて語り合う」というイベントに参加したことがあります。集まったのは6人ほどで、そのうちの2人が小学校低学年の子供たちでした。

彼らが言うには、「ワンピースは新世界からしか知らない」らしいです。周りの友達でもそういう子が大半を占めてるんだとか。なぜかと言うと、アニメでも「週刊少年ジャンプ」でも彼らが知った頃には、もう10年以上経ってたからです。

自分でコミックを1巻から買ったり、親が持ってる子供もいるんでしょうが、現時点で78巻。30巻程度なら、「(1冊)432円×30(冊分)=12960円」になりますが、78巻となるとその倍以上のお金がかかります。とてもじゃないですが、普通の子供が手を出せる額ではありません。

他の手段としては、古本屋さんがあります。ただ、みんながみんな古本屋さんに行くわけではないし、ぼくの記憶が正しければ、人気があるせいで「ワンピース」は他のマンガよりも少し高く設定されてます。そうでなくても、78巻分を買うとなると結構なお値段です。

そもそも1〜78巻まで読もうと考える子供がどれだけいるのか。「こち亀」みたいに最初から読んでなくても楽しめる作品とは違い、「ワンピース」は初期メンバーとの出会いとかその過去、それに付箋を知ってるか知らないかで、おもしろみがかなり変わってきます。だからって、最初からはなかなか読む気になれないですよね。

そういうこともあってか、立川まんがぱーくで出会った子供たちは「一応、ワンピースを読んでる」くらいのノリで、ハマってるようには全然見えませんでした。まあ、途中から読んでたらそうなりますよね。「それでもいいんじゃないの?」と言ってしまえばそれまでなんですが、尾田さんはこのことをどう思ってるんだろうとふと思ったんです。完全にズレがありますよね。

大人が9割ですよ。1〜18歳が12%、19〜29歳が43%、30〜49歳が32%、50歳以上が13%です。さすがに70歳以上のおじいちゃんたちが読んでる想像はできないので、この50歳以上は50〜69歳くらいの人たちでしょう。そうなると、18歳以下と50歳以上の読者数はほぼ同じということになります。

この現状をどう考えられてるのか、一読者として興味があります。いや、ぼくは「ワンピース早く終われよ!」と言いたいわけではなくて、こうなったら最後まで付き合う覚悟でいます。ただですね、もし「子供のために描きたい」ならこんなに長く引っ張る必要はあったのかなと。子供が大人になる前に終わる作品を描くことはできなかったのかなと。それでこそ「子供のために描く」ですよね。そうやっていくつも作品を出されてるマンガ家さんはたくさんいます。

集英社の意向とかいろんな大人の事情があることもわかります。でも、今現在「ワンピース」を読んでるのは子供ではなく大人なんですよ。大人がわくわく待ってるんです。東村アキコさんが「海月姫が15巻まで続いちゃってごめんなさい」とおっしゃってましたが、確かに15巻でもかなりの分量ですよね。

「思ってたよりも描きたいことがたくさん出てきました」「子供のために描いてます」。もしこういう言葉が本心ではなく、そう思わないと描いていけないのなら仕方ないのかもしれません。それに肥大化させたのなら、それをしっかり終わらせてくれることが、15年以上読んできた読者みんなの願いでもあります。

まとめ

とまあ、今日はどちらかと言うと「ワンピース」の信者であるぼくが、アンチっぽいことをつぶやいてみました。うーん、尾田さんの本当のところはわかりませんが、どちらにしても自分の描きたいマンガと大人の事情を両立させるのって、難しいですね。マンガも仕事ですもんね。

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