「浦沢直樹の漫勉」が大変よい。マンガ好きは絶対観ようぜ

books-927394_640

「プロフェッショナル仕事の流儀」とか「情熱大陸」をディスるわけじゃないんですが、あそこらへんの番組はどうしてもかっこよく感動するように持っていきますよね。プロフェッショナルな人たちが主役のドラマみたいに。

あれはあれでおもしろくてすきなんですけど、もっと淡々と具体的な作業をしてるところも観たかったんですよ。そこでこの「浦沢直樹の漫勉」です。マンガ家さんだけに焦点を当てた番組で、基本的にマンガ家さんが描いてる姿を俯瞰でカメラを撮って、それを観ながら浦沢先生と対談風に「こここうだよね」とか「ここそうするんだ」みたいに楽しげな感じで話すんですよ。

浦沢直樹の漫勉

マンガ家を目指してる人は、「この人はこのペン使ってるんだ」「こういう描き方あるんだ」「こういう工夫してるんだ」みたいに観るんだと思います。ぼくはただのマンガがすきな一般市民なので、もうひたすらにやにやしながら観てます。今のところ5回にわたって放送されていて、ラインナップはこんな感じです。

・「沈黙の艦隊」「太陽の黙示録」のかわぐちかいじ先生
・「天才柳沢教授の生活」「不思議な少年」の山下和美先生
・「海月姫」「かくかくしかじか」の東村アキコ先生
・「うしおととら」「からくりサーカス」の藤田和日郎先生
・「ソラニン」「おやすみプンプン」の浅野いにお

超豪華ですよね。しかも、45分間もあります。お腹いっぱいになりますよ。たとえば、東村アキコ先生のインタビュー記事を読んだりしても、描いてる姿まではわからないから、「ふむふむ」くらいで終わっちゃうんですが、実際に描いてる姿を観ると、「うわー!」ってなるんですよ。

普段、一瞬で目を移動してしまうような一コマ一コマを熱量たっぷりに描かれてる様子は不思議な恍惚感があります。「ああ、もっと舐めるように読もう」と思います。

当たり前ですが、マンガ家という同じ職業でも、みんな描き方とか考え方も全然違うんですよね。それぞれのスタイルがあって、みんな正しい。藤田先生なんて下書きなしでペン入れ(本番)するんですよ。間違えたり違うと思ったら、修正液で消す。また描く。消す。この繰り返しです。

浦沢先生との対談もとってもよくて、マンガ家同士なので、ぼくみたいな素人は話の半分もわからないんですが、それでも「うんうん」ってうなずきながら観てます。素人が「これってどういうことなんですか?」って基本的なところから聞くんじゃなくて、いきなりマンガ家同士の本気トーク。

いいんですよ。いちいち最初から説明しなくても。だって、そんなことはググるから。ぼくたちが望んでるのは、この番組を観てよかったと思える瞬間がどれだけあるか。その密度の濃さ。2人で、特に浦沢先生がぐいぐい行くので、もう微笑ましくて仕方がないです。

まあひとつ「うーん」と思うところがあるとすれば、ナレーション。解説してるところはいいんだけど、感想的なひと言はいらないような。そこでテンションがガタ落ちします。せめてもうちょっと自然に言えないかな。

ここ以外はもう最高です。マンガ好き集まれ。みんな観ようぜ。ということで、「浦沢直樹の漫勉」をまだ知らない人はぜひぜひ観てみてください。

シェアする

フォローする